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区分所有法⑥-団地

 

第6節 団地

① 団地建物所有者の団体(65条)

団地の規定は、数棟のマンション等が敷地等を共有している場合を想定して定められていると考えられている。

1.団地としての要件

(1)一団の土地の区域内に数棟の建物があること

※5節までの「建物」は一棟の区分所有建物をさしていたが、6節では.一戸建て建物も「建物」に含まれる。

(2) その区域内の土地または附属施設にれらに関する権利を含む) が、それらの建物の所有者(区分所有建物にあっては、区分所有者)の共有に展すること

上記(1)(2)の要件を2つとも満たしたしたものが、区分所有法でいう「団地」となる。

コメント

① ここでいう「団地」には、建物・土地•附属施設のいずれもが単独所有となっているケースや賃貸用の公営団地を含まない。

また、区分所有建物だけでなく一戸の建物も対象となることに注意しよう。

2.団地の形態

団地の形態

団地の形態-2

① 一団地内にA・Bの区分所有建物とC・Dの一戸建て建物があり、A~Dまでの建物所有者がその団地内の土地(団地敷地または団地内の通路など)を共有している場合

A~Dの建物所有者は、全員で、共有する土地の管理を行うための団体を当然に構成し、この団体が共有する土地について管理を行う

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② 団地内のA・Bの各区分所有建物(主として共用部分)の管理は、各棟11の区分所有者の団体が行う。

また、一棟(A棟またはB棟)の区分所有者のみが共有する土地または附属施設は、当該棟の区分所有者の団体で管理を行う。

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③ ① ②の区分所有建物、区分所有者のみが共有する土地・附屈施設についても、規約の定めで、団地全体の管理に服させることはできる。

→後述 ④参照

これに対し、団地内の建物であっても、区分所有建物でないC・Dの建物およびこれらの建物所有者のみの共有に属する土地または附属施設(C・Dの共有の通路、C・Dの共有の車庫)については、団地の共同管理の対象とならない。

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① A棟またはB棟内の専有部分や団地内にある附属施設たる独立の建物Eが且l地建物所有者全員の共有に属し、当然に①の団体の笠理に服する場合、団地規約により、① の団体の団地共用部分とすることができる。

→後述 ③参照

※ 「建物の区分所有の規定」と「団地の規定」について、団地内に存する区分所有建物についても、第1節~第5節の規定が適用される。

ただし、③ のケース(規約で団地全体の管理に服させる場合)は、「団地の規定」によって団地建物所有者全貝が団地を構成して管理を行うことになるので、各建物ごとの団体での管理対象から除外される。

しかし、「敷地利用権」「義務違反者に対する措置」「復旧lおよび建替え」の規定は、団地という単位では適用されず、団地内の各建物ごとに適用される。

3.団地

団地内建物の所有者(「団地建物所有者」という)は、全員で、その団地内の土地、付属施設および専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成する。

そして、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、および管理者を置くことができる。

この団体は、「団地管理組合」と呼ばれるが、団地管理組合が成立しても、棟管理組合も存続し、両者は併存の関係にある。

② 団地管理と区分所有者に関する規定との関係(66条)

1.団地の管理に、区分所有に関する規定が準用されるもの

次に掲げる事項は、団地全体に及ぼしたほうがよいと考えられるものである。

(1)

① 先取特権(7条)

② 先取特権の特定承継人の買任(8条)

(2)

共用部分の変更、管理等(17条~19条)

(3)

① 管理者の選任および解任(25条)

② 管理者の権限(26条)

③ 管理者の権利義務に関する委任の規定の準用(28条)

(4)

区分所有者の責任等, (29条)

(5)

規約および集会についての規定(30条1項.3項~5項、31条1項、33条~46条) 

(6)

管理紺合法人(47条~ 56条の7)

コメント

【 準用例 】

② 団地建物所有者の団体は、その管理に服すべき対象物の管理について、原則として団地の集会の決議によリ決する。

→ 17条 (共用部分の変更)、18条 (共 用部分の管理)

③ 団地建物所有者の団体は、その集会により団地の管理者を選任・解任できる。

→ 25条 1項(管理者の選任 ・解任)

④ 管理者は、当然に法定権限を有する。 

→ 26条(管理者の権限)

⑤ 上記②について団地の規約で定めることもできる。 → 30条 1I頁(規約事項)

⑥ 集会の決議•規約は、この団体の構成邑である団地建物所有者全邑を拘束する。 

→ 46条 1項 (規約・集会の決議の効力)

2.団地の管理に、区分所有に関する規定が準用されない主なもの

次の事項は、必ずしも団地全体に及ぼす必要がないので、団地内の区分建物についても、「区分所有建物ごと」に適用される。これらの事項に関する集会の決議は、団地管理組合の集会では決議できない。

敷地利用権

※団地内の区分所有建物以外の建物(戸建て)については、分離処分を禁止できないから。

① 分離処分の禁止(22条)

② 分離処分の無効主張の制限(23条)

③ 民法255条の適用除外(24条)

共用部分の管理所有(11条2項、27条)

共用部分の持分の割合(14条)

義務違反者に対する措置(57条~ 60条)

※義務違反者に対し、使用禁止・競売請求ができるのは、1棟の建物内では区分所有者が相互に密接な関係があるからであり、これを団地内の区分所有者間にまで及ぼすのは適当でないから。

復旧および建替え(61条~ 64条)

※ 建物の復旧・建替えについては、1棟の建物の区分所有者のみの決定に委ね、その投用負担についても、その者のみにさせるのが適当だから。

規約共用部分、規約敷地 (4条2項、5条1項)

団地(3棟のマンションで構成され、各団地建物所有者が敷地を共有している) の管理において、団地建物所有者および議決権の各4/5以上の多数があれば、建替え決議ができるのだろうか。

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建替えの規定は、各区分所有建物ごとに適用されるので、このケースの場合、建替え決議はできない。

③ 団地共用部分の諸規定(67条)

団地共用部分の登記(1項) 建物の区分所有関係における規約共用部分の制度にならい、「一団地内の附属施設たる独立の建物や区分所有建物の専有部分たりうる部分」は、団地の規約により、団地共用部分の登記部分とすることができる。
この場合、その旨の登記をしなければ、第三者に対抗できない。
※ 団地内に存在し、かつ、附屈施設たる独立した建物または区分所有建物の馬有部分たりうる部分で、土地ではない。
公正証書による団地規約の設定(2項) 団地共用部分を定める規約は、原則として団地の集会の決議によるか、団地建物所有者全員の書面による合意により設定することになる。
 しかし、一団地内の数棟の建物全部を所有する者は、公正証書により、単独で、団地共用部分を定める団地規約を設定することができる。
団地共用部分(3項) 共用関係(11条1項本文・3項準用) 団地共用部分は、団地建物所有者全員の共有こ属する。
※ たとえば、甲棟の一部の区分所有者と乙棟の一部の区分所有者の共有に属する附属施設たる建物などは団地共用部分とはできない。
使用(13条準用 団地建物所有者は、団地共用部分をその用方(法) に従って使用できる。
持分の割合(14条準用) 共有者の持分は、原則として各共有者の有する建物または専有部分の床面積の割合による。
ただし、団地規約で、別段の定めができる。
持分の割合(15条準用) 共有者の持分は、団地共用部分について有する建物または専有部分の処分に従う。
処分の禁止(15条準用) 共有者は、原則として団地共用部分についての持分をその有する建物または専有部分と分離して処分できない。
「この法律に別段の定め」※があればできる。
※ 規約によって共有持分の割合を変更するのに伴い、その持分の一部の移転が行われるケースをいう。

④ 団地規約の設定の特例(68条)

団地規約の設定の特例

しかし、この場合でも、団地建物所有者「全員」の管理対象物として、団地全体で管理が必要なケースもある。

そこで、団地内の「一部」の建物所有者の共有に屈する「団地内の土地・附属施設」「団地内の専有部分のある建物」について、規約により、団地建物所有者「全員」の管理対象物とできるものとし、その規約の設定手続について特例が個かれた。

1. 団地規約の設定・変更・廃止

団地建物所有者および謙決権の各3/4以上の多数による団地の集会の決識で行う。

2.団地管理組合の管理の対象物

管理の対象物

手続等
団地建物所有者の共有に屈する団地内の土地および附属施設(これらに関する権利を含む)

当然に団地管理組合(団地建物所有者全員)の管理対象となる。

 団地規約で定める必要はない。

団地内の一部の建物の所有者(区分所有者を含む)の共有に属する団地内の土地または附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く)

※ なぜなら、戸建ての所有者のみの共有に属するものは、団地全体の管理に服させる必要性が乏しいからである

団地規約により管理対象にできる。

特別多数決議を得たうえ、団地内の「土地または附属施設」の全部につき、共有者の3/4以上でその持分の3/4以上を有する者の同意が必要となる。

※ 「同意」としたのは、これらの物の共有が民法の共有の規定になるケースもあり、その楊合、集会の決議によることにはなじまない。

たとえば、A棟・B棟の倉庫は、区分所有法でいう共有扱いとなるが、A棟の建物所有者の一部の者とB棟の建物所有者の一部の者との共有であれば、民法でいう共有となり、集会の決識という表現はふさわしくないということになる。

団地内にある区分所有建物

※ 棟単位の集会決議がすべて成立しないと、区分所有建物に関する団地の規約を定めることができない。
※ 戸建ては対象にできない。そもそもその管理は、その各所有者が自らすべきものだからをである。

特別多数決議を得たうえ、各棟の管理組合の集会において、区分所有者および議決権の各3/4以上の多数による決議が必要となる。

区分所有建物の一部共用部分に関する事項について決議する場合、その事項が当該 「区分所有者全員の利害に関係しないもの」であれば、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の1/4を超える議決権を有する者の反対があるときは、その決議ができない(2項)。

※ 上層階の住戸部分の専用lに供される出入ロ・階段・エレペーター等の管理維持等。

「団地内にある一戸建て建物」「一部の建物の所有者の単独所有に屈する土地・附属施設」は、管理対象とすることができない。

※1 甲団地の管理組合が、乙および丙団地の共有敷地(通路等)または共有附属施設(車庫・倉庫等)を管理する場合

【 例① 】

A ~ D 棟で敷地を共有する団地で、A 棟・ B 棟の区分所有者のみで倉庫を共有し、C 棟・ D棟の区分所有者のみで車廊を共有している場合

倉庫・車庫車廊の管理等について、A~D棟全体の団地規約で定めるには、A-D棟の区分所有者全員で構成される集会で1.の特別多数決議を必要とし、加えて倉廊については、A棟. B棟、車庫については、C 棟• D棟の同意を得る必要がある。

団地内にある区分所有建物

→ 団地規約が設定されると、甲団地組合が乙および丙団地の共有敷地または共有付属施設を管理できる。

※2 甲団地の管理組合が、A~D棟まで管理する場合

A ~ D 棟で敷地を共有する団地

→ 団地規約jが設定されると、甲団地管理組合がA~D棟まで管理できる。

⑤ 団地内建物の建替え承認決議(69条)

団地内建物について、建物の所在する土地が共有である場合、建替えには、土地の共有者全員の承諾が必要であった(民法251条) 。

しかし、建替えにあたり土地共有者全員の承諾が必要となると、団地内の建物の建替えは実現できなくなるおそれがある。

そこで、次のように謡決権(土地の持分の割合による)の3/4以上の多数決によって、建物の建替えを承認できるようになっている(69条1項) 。

※ 建替え承認決議:土地共有者の集会によって、土地上の建物の建替えを承諾する決議をいい、地上の建替えの対象となる建物を「特定建物」という。

団地内建物の建替え承認決議

(1)一団地内にある数棟の建物(団地内建物) の全部または一部が専有部分のある建物であり、かつ、その団地内の特定の建物(特定建物)の所在する土地(これに関する権利を含む) が当該団地内建物の団地建物所有者(団地建物所有者) の共有に属する場合

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次の要件に該当する場合で、当該土地(これに関する権利を含む)の団地管理組合または団地管理組合法人の集会において議決権の3/4以上の多数による承認の決議(建替え承認決議)を得たとき

① 特定建物が専有部分のある建物である場合は、その建替え決議またはその区分所有者の全員の同意があること(同1号)。

② 特定建物が戸建て等である場合は、その所有者の同意があること(同2号) 。

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当該特定建物の団地建物所有者は、当該特定建物を取り壊し、かつ、当該土地またはこれと一体として管理もしくは使用をする団地内の土地(当該団地内建物の団地建物所有者の共有に属するものに限る)に新たに建物を建築できる(同1項) 。

(2) 土地の共有者が建替え承認決議を行う場合、各団地建物所有者の議決権割合は、規約に別段の定めがある場合であっても、当該特定建物の所在する土地(これに関する権利を含む) の持分の割合による(同2項)。

(3) 当該特定建物の団地建物所有者は、建替え承認決議においては、原則としてこれに賛成する旨の議決権の行使をしたものとみなされる(同3項) 。

(4)建替え承認を決議するための集会については、集会の招集の通知は、当該集会の会日より少なくとも2ヵ月前に、議案の要領のほか、新たに建築する建物の設計の概要(当該建物の当該団地内における位協を含む)をも示して発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長できる(同4項) 。

(5) 建替え承認決議を行う場合、一部を建て替えることにより、他の建物に特別の影響を及ぽすべきときは、次の区分に応じてそれぞれに定める者が建替え承認決議に賛成しているときに限り、当該特定建物の建替えができる(同5項) 。

① 他の建物が専有部分のある建物である場合は、建替え承認決議を行う集会において他の建物の区分所有者全員の議決権の3/4以上の議決権を有する区分所有者(同1号)

② 他の建物が戸建て等である場合は、その所有者(同2号)

(6)当該特定建物が2以上あるときは、当該2以上の特定建物の団地建物所有者は、各特定建物の団地建物所有者の合意により、当該2以上の特定建物の建替えについて一括して建替え承認決議に付することができる(同6項) 。

(7)上記(6)の場合、当該特定建物が専有部分のある建物であるときは、当該特定建物の建替えを会議の目的とする建替え決識(62条1項)の集会において、当該特定建物の区分所有者および議決権の各4/5以上の多数で、当該2以上の特定建物の建替えについて一括して建替え承認決議に付する旨の決議ができる。

この場合、その決議があったときは、当該特定建物の団地建物所有者(区分所有者に限る)の(6)の合意があったものとみなす(同7項) 。

⑥ 団地内の建物の一括建替え決議(70条)

団地内建物については、複数の棟について、一括して建替えの決議をすることができるようになっている。

一括建替えにより、住戸数を増やしたり、麻陪化することが容易になり、区分所有者の出費を抑えるというメリットも期待できる。

一括建替え決議とは、次のように、団地内建物につき一括して、その全部を取り壊し、一定の土地に、新たに建物を建築する旨の決議である。

(1)次の場合、当該団地内建物の団地管理組合または団地管理組合法人の集会において、当該団地内建物の区分所有者および議決権の各4/5以上の多数で、当該団地内建物につき一括して、その全部を取り壊し、かつ、当該団地内建物の敷地(これに関する権利を除く。以下同じ)もしくはその一部の土地または当該団地内建物の敷地の全部もしくは一部を含む土地(これらの土地を再建団地内敷地という)に新たに建物を建築する旨の決議(以下一括建替え決議という)ができる。

① 団地内建物の全部が専有部分のある建物であること

② 団地内建物の敷地(団地内建物が所在する土地および規約により団地内建物の敷地とされた土地をいい、これに関する権利を含む。以下同じ)が当該団地内建物の区分所有者の共有に属すること

③ 団地内建物について団地規約が定められていること

つまり、団地管理組合の規約により、その管理の対象とされている必要がある。

ただし、当該団地集会において、当該各団地内建物ごとに、それぞれその区分所有者および議決権の各2/3以上のものがその一括建替え決議に賛成していることが必要である。

(2) 一括建替え決議における各団地建物所有者の議決権は、規約に別段の定めがある場合であっても、当該団地内建物の敷地の持分の割合によるものとする。

(3) 団地内建物の一括建替え決紙においては、次の事項を定めなければならない。

① 再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要

② 新たに建築する建物(以下再建団地内建物という)の設計の概要

③ 団地内建物の全部の取壊しおよび再建団地内建物の建築に要する費用の概算額

④ ③に規定する費用の分担に関する事項

⑤ 再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項

 

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