『マンション住民の高齢化』と『管理不全』
最近、『マンション住民の高齢化』による『理事会・役員のなりて不足』のご相談が多くなりました。
戸建て住まいからマンションに住み替えが増加
子供が独立し、高齢夫婦で住むには広くなった戸建て住宅を売却し、マンションに住み替えるケースが増えました。しかし、快適であったはずのマンション住まいも『管理費・修繕積立金の値上げ』『理事会・役員の就任』等々戸建て住まいでは無かった多くの負担が発生します。
そうしたマンション住まいでの負担増に加え、さらに深刻なのが、マンションの『管理不全』問題です。住民の高齢化や空室の増加、管理会社への支払いが滞るなどして、管理会社の委託契約の解除、建物全体の管理が困難になっているケースは少なくありません。
そうなると、共用部の日常清掃や維持管理だけでなく、建物の補修・修繕も難しくなります。
たとえば、剥落した外壁を修繕せず放置すれば、劣化が進んで内部のコンクリートや鉄筋が傷み崩落の危険が生じ、マンションの管理不全は最悪の場合、生命にかかわる安全面の問題を招きかねません。
このままでは廃墟に
国土交通省の推計によれば、築40年超のマンションは20年の103万戸から40年には4倍の404万戸になるという。
ある行政が実施した調査では、1983年以前に建てられたマンションの約16%に管理不全の兆候があると分かった(2021年12月末時点)。同調査では、「管理組合」「管理費」「修繕積立金」「総会開催」「管理者」「管理規約」「修繕の計画的な実施」の7項目について、いずれかが「ない」と答えたマンションを「管理不全の兆候がある」と判定している。
1980年代初めに建てられたマンションに住む男性からの相談事例。
「何年も前から共用部の自動ドアやインターホンに不具合が頻発しているが、管理組合の役員が定数に達しない、予算がないなどの理由で、一向に修理の話が進まない。エントランスに置かれた革張りのソファーも破れたまま。中庭の植木も数年前の台風で倒れてからずっと放置されている。このままでは廃墟化するのではないか。 最近になって、修繕積立金と管理費を数千円ずつ値上げする話が出てきたが、年金とわずかな預貯金しかないので、毎月の負担増にも頭を抱えている」
マンションは、終の棲家に
第三者管理方式は、マンションが『管理不全』に陥る前に今できること
分譲マンションにおける理事会役員のなり手不足が問題視されている近年、外部の専門家に理事を委託する「第三者管理方式」に注目が集まっています。
第三者管理方式とは
「第三者管理方式」とは、第三者である外部の専門家に理事長(役員)として就任してもらい、管理組合運営を任せる方法です。
第三者管理方式では、修繕積立金の管理や総会の開催、修繕計画の策定、住人への報告といった理事会の業務を実質的に外部専門家が担うことで、役員の補填や専門家によるプロフェッショナルな管理組合運営に貢献します。
第三者管理方式の理事会役員にふさわしい外部専門家は、マンション管理士、弁護士、司法書士、建築士などです。
今、注目される理由
第三者管理方式が最近注目されている理由として、次の5つの点が考えられます。
- マンション標準管理規約の改正
- 分譲マンションの老朽化と住民の高齢化
- 役員のなり手不足
- 管理不全に陥るマンションが増加
- マンションの資産価値の下落
第三者方式は3つの方式
国交省の想定した第三者管理方式は、以下3つの種類に分類されます。
- 理事・監事外部専門家型又は理事長外部専門家型
- 外部管理者理事会監督型
- 外部管理者総会監督型
第三者管理方式のメリット・デメリット
第三者管理方式のメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
- 区分所有者の管理組合の負担が軽減できる
- 管理内容の適正化が進む
- レベルの高い運営が期待できる
第三者管理方式のデメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
- 利益相反行為のリスクがある
- 運営ノウハウが蓄積しない
- 一度変更すると従来の管理方式に戻しにくい
第三者管理方式を導入する場合の注意点
第三者管理方式を導入する際のおおまかな手順は以下の通りです。
- 理事会承認:第三者への委託の必要性を検討し、第三者管理方式のパターンや委託先、予算、管理規約の改訂などについて話し合う
- 総会承認:管理規約の改定は通常「特別決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議)」で決定、議案書に詳細を記載する
- 運用開始:利益相反行為の防止や、業務執行のチェック体制の充実を徹底する
外部専門家に依頼する場合
第三者管理者を選任しても、区分所有者が管理への意識や関心を持ち続けられるよう、外部管理者の業務執行状況をしっかりとチェックする必要があります。
区分所有者でもマンションの管理状況を共有し、中長期的な計画を立てて管理を進めることが大切です。
第三者管理方式に移行した後、透明性のある管理組合運営が実現するよう、一定のルールを設けておくことが望ましいでしょう。
管理会社に依頼する場合
投資型マンションやリゾートマンションなどでは、分譲当初からマンション管理会社が理事長や管理者の役割、業務を担うケースもあります。
第三者管理を管理会社に依頼する場合、管理会社の利益が最大となるようなシステムの改訂を認めることとなるため、事前の取り決めや対策が重要となるのです。
日常管理を委託する管理会社が理事や役員になる場合、マンション管理会社の収益を優先するばかり、区分所有者の利益がおろそかにされないよう注意が必要です。
管理会社が不要な工事を自社で行うなどの利益相反行為が起きないよう、仕組みや監視体制の構築といった対策が望ましいでしょう。
具体的には、監事を2人にし、1人はマンション管理士などの外部専門家、監査法人など外部監査役として委託するといった方法も対策としては有効です。
貴方のマンション大規模修繕工事・設計コンサル&施工会社はクリーンですか? プロポーザル方式(提案型業者選定方式)を採用
大規模修繕工事において常に見積書(工事金額)が高いのではないかと不安を持っておられる管理組合様向けに、『大規模修繕工事・見積書検証サービス』を実施しております。
誰しも適正な工事金額で納得して大規模修繕工事を終えたいものです。
大規模修繕工事金額の目安は、1戸当たり@100万円です。 1戸当たり@100万円を超える見積書で悩んでいる管理組合様はご相談ください。
マンションみらい設計では、プロポーザル方式(提案型業者選定方式)にも対応しており、よりコストダウンを図ることが可能です。
◆ ヨーロッパでは、100年を超えるマンションに居住しています |
マンション管理に関係する相談会・セミナー等の会合に参加をしますと、管理組合の方々からは、必ず「大規模修繕工事」や「長期修繕計画」に加え「管理費・修繕積立金の滞納」「区分所有者の高齢化」等々の問題をお聞きします。
ご相談の大半は建築に関するお悩みが大半を占めており、「一級建築士」のノウハウを活かしご相談に応じますので、お気軽にご相談ください。
国土交通省では、「マンションの老朽化に関する基準の改定」を行うための検討会を発足しております。
その中で「建物・設備等構造物」の専門家として「一級建築士」を「マンション管理・滞納問題等」の法律の専門家として「弁護士」をあげています。
マンション管理の相談はマンション管理士事務所・マンションみらい設計へご相談ください。
昨今の設計コンサル・大規模修繕工事業者・管理会社による「談合」「工事費の値上げ(割り増し見積)」を未然に防ぎ、適正価格で適正工事を実施することが大切です。
長期修繕計画を将来にわたり割高・水増し金額で構成しないため、事前のご相談・対策を行い、ローコストマンションライフを目指しましょう。
管理組合の健全な運営に必要な4つの要素
管理組合の健全な運営には、これらの確保が必要不可欠です。
全組合員がマンションの管理について専門知識を持ち、管理組合の活動に100%注力できるとしたら、これら全てを確保することは可能でしょう。 しかし現実には、管理組合の活動に費やせる時間は限られ、また全組合員が専門知識を必ずしも持たないため、これら全てを確保することは困難です。
管理組合を構成する組合員(区分所有者)はいつでも変わる可能性があること、組合員によって役員に就任することについての得手・不得手があることなどから、「誰が役員になっても務まる」ことが管理の継続性を確保する上で重要です。
しかし、マンションの管理には「建物」「設備」「法律」「会計」などの専門知識が必要であり、「誰にも務まる」とは言い難いというのが現実です。 かと言って役員の業務を平易にしてしまっては、管理とは呼べないものになってしまいます。
「誰にも務まる」には業務面や金銭面、心身負担など様々な観点の公平が求められます。
輪番制などにより役員を交代する場合は一応の公平性が確保できますが、役員になることへの不安や心身負担の忌避などから就任を辞退する者がいないとも限りません。 そうなると他の組合員が皺寄せを受け不公平が生じます。 全ての組合員が役員に就任し易い環境や制度が確立されていないと公平性の確保は困難です。
管理会社に管理を委託している場合は一応の専門性は確保できます。
しかし、管理会社の実務を管理組合がチェックする必要があり、これには専門知識が必要となります。 そのチェックを専門知識を有する一部の組合員に任せるとなると、その組合員に心身負担が生じ公平性が害されます。 仮に管理会社の実務をチェックしないとなると、それは管理組合に主体性がないことを表します。
管理委託はあくまで「代わりにやってもらっている」のであって「全てを任せている」のではありません。 管理委託の場合こそ主体性が強く求められます。
「誰が役員になっても務まる」管理組合運営の実現
先述した極端な管理組合の例を除いて、4つの要素全てを管理組合だけで確保することは非常に困難と言えます。
公平性を確保すれば専門性が欠け、専門性の確保のために役員に心身負担を強いる運営となれば公平性・継続性が欠けるなど、4つの要素は、ひとつが立てば他が立たないという関係にあります。
4つの要素を全て確保し、組合員の心身負担も軽減し、「誰が役員になっても務まる」管理組合運営を実現する手段としてマンション管理士を顧問とする、理事長や監事に登用するなどがあります。
専門性の確保
言うまでもなくマンション管理士はマンションの管理に特化した専門家です。 役員の交代に関わりなく管理組合に専門知識が備わります。
主体性の確保
これは専門性の確保と深く関係します。 専門家の助言が得られるため、管理組合が自らの意思で適正な管理を行うための判断が容易になります。 また、管理会社というプロ集団に対して対等に意見をし、管理会社の言いなりならない管理・運営が実現します。
公平性の確保
専門家が継続的に関与することで役員に専門知識の習得を強いる必要がなくなります。 これにより組合員の心身負担や不安などが解消され、これらを理由とする就任辞退はなくなる考えられます。
継続性の確保
専門性・主体性・公平性の確保、いずれにも深く関係しますが、組合員の負担が軽減されることにより無理のない管理組合運営を継続することが可能となります。
貴方は、マンションの管理組合に関心をもっていますか
皆様が分譲マンションを購入され『管理費』+『修繕積立金』+『駐車場等費用』を管理組合へ毎月お支払いのことと思います。
分譲マンション販売広告をみますと、マンションは「100年住宅」を掲げ販売されております。
しかし、100年先のビジョンをどうするのかは誰も考えていません。
その年月を考えますと、『管理費』+『修繕積立金』+『駐車場等費用』の支払う金額は相当なものとなります。
しかし、ほとんどの区分所有者の方は、管理会社に任せておけば大丈夫と半信半疑で思われています。
本当にそれでよいのでしょうか。
国土交通省は、管理会社や設計事務所など管理組合が直接依頼する業者とは立場を相反する管理組合のサポート役としてマンション管理士の外部役員として採用すること推奨しています。
マンションみらい設計はプロナーズ認定アドバイザーです
当マンション管理士事務所は、首都圏を中心に実務志向の高いマンション管理士を独自の研修制度を受講し、信用ある業務を提供できる環境を整えています。
また、マンション管理士と一級建築士の両資格をもち、管理規約変更や管理会社変更等はもちろん大規模修繕工事まで幅広く専門家として皆様のマンションを支援サポートさせていただきます。
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