最終更新日:2026年10月12日|執筆・監修:三村勝己(一級建築士・マンション管理士)
株式会社マンションみらい設計は、大規模修繕工事を控えた管理組合の「修繕委員会アドバイザー(建築士セカンドオピニオン)」に就任し、設計事務所の選定から工事監理の完了・引渡しまでを中立の立場で伴走します。
談合防止が必要な場合は、設計事務所の業務から「施工会社選定補助業務」を切り離して当社が受託し、設計事務所とは別の立場で施工会社の選定を進めます。発注予定金額・参加会社名などの重要情報を一社に集中させない仕組みで、マンション改修設計コンサルタント(一級建築士事務所)だからこそ提供できるサービスです。
セカンドオピニオン(修繕委員会アドバイザー)とは
大規模修繕工事では、管理会社・設計事務所・施工会社からさまざまな調査結果、見積書、提案書が修繕委員会に提示されます。しかし、その内容や金額が妥当かどうかを、委員の皆さまだけで判断するのは容易ではありません。セカンドオピニオンは、それらを提出した会社とは利害関係のない一級建築士・マンション管理士が、修繕委員会の一員のような立場で評価・助言する役割です。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 修繕委員会への出席 | 修繕委員会(理事会との合同会議を含む)に出席し、議事の論点整理、技術的な助言を行います。原則として月1回程度。 |
| セカンドオピニオン | 管理会社・施工会社・設計コンサルタント等から提示される調査診断結果、見積書、提案書について、内容と金額の妥当性を中立の立場で評価します。 |
| 進め方の整理 | 責任施工方式・設計監理方式・プロポーザル方式などの選択肢を整理し、管理組合に合った進め方を助言します。全体スケジュールの複数案も作成します。 |
| 設計事務所の公募支援 | 見積参加基準・公募要項・誓約書の案を作成し、応募書類の受付窓口、ヒアリングの運営を補助します。 |
| 随時の相談対応 | 委員長・役員からの相談に、文書・メール・電話で随時対応します。 |
| 期間 | 契約日から大規模修繕工事の完了・引渡しまで。設計事務所の選定(公募の準備)から工事監理の完了まで、一貫して同じ担当者が伴走します。 |
なぜ今、セカンドオピニオンが必要なのか
公正取引委員会は、管理組合が施工会社に知られたくない情報として、次の4つを例示しています。
- 管理組合が設定した大規模修繕工事の発注予定金額
- 発注先を選定する際の具体的な基準
- 見積り合わせに参加する施工会社名
- 参加する他の施工会社の見積価格
従来の進め方では、この4つの情報がすべて設計事務所1社に集まります。設計事務所に調査診断・設計・施工会社選定・工事監理を一括で委託する「設計監理方式」は、談合を防ぐ仕組みとして機能してこなかったことが、今回の命令で明らかになりました。命令の詳しい解説記事はこちら。
施工会社の選定を設計事務所から切り離す(当社の特徴)
当社は、設計事務所には調査診断・修繕設計・工事監理を委託し、施工会社の選定は管理組合(修繕委員会)が主体となって行うことを提案します。選定の実務は当社が「施工会社選定補助業務」として受託し、設計事務所とは別の立場で進めます。
| 担当 | ①建物劣化診断業務 | ②修繕設計業務 | ③施工会社選定補助業務 | ④工事監理業務 |
|---|---|---|---|---|
| 設計事務所 | ○ | ○ | - | ○ |
| 当社 (マンションみらい設計) |
- | - | ○ | - |
※ ①②④は設計事務所に委託し、当社はセカンドオピニオンとしてその内容を確認します。③は設計事務所の委託範囲から外し、当社が管理組合(修繕委員会)の補助者として、設計事務所とは別の立場で行います。発注予定金額・参加会社名・見積価格は管理組合と当社のみが把握し、選定終了まで設計事務所・参加会社には開示しません。
改修設計コンサルタントだからこそできる選定補助
施工会社の選定補助は、単に書類を受け付ける事務ではありません。各社の見積書を数量・仕様の単位で読み解いて同一条件で比較すること、設計事務所と対等に技術確認を行うこと、見積額の不自然な近接や内訳書の文言の酷似といった談合の兆候を点検することが必要です。当社は大規模修繕工事の設計監理を自ら行う一級建築士事務所であり、この技術的な目利きを、設計事務所とは独立した立場で提供できます。
設計事務所の募集要項に盛り込む条件(例)
- 施工会社の選定補助は委託業務に含めない(開封後の技術確認・質疑回答案の作成などに限る)
- 施工会社・材料メーカー等から、名目を問わず金銭等を受け取らないことの誓約書(違反時は契約解除・違約金)
- 発注予定金額・選定基準・参加会社名・見積価格を第三者に漏らさない守秘義務
- 施工会社との資本関係・人的関係の有無の申告、過去の設計監理実績(物件ごとの施工会社名を含む)の提出
- 公正取引委員会の立入検査・排除措置命令等に関わりがないこと
施工会社選定の運営ルール(例)
- 応募資格は建設業許可・同種工事の実績・経営状況など客観的な条件とし、特定の会社しか満たせない条件は付けない
- 選定基準と配点は公募の前に修繕委員会で決めて記録に残し、後から変更しない
- 発注予定金額は参加会社に示さない。価格交渉は管理組合が直接行い、経過をすべて記録する
- 選定経過は書面にまとめ、総会資料として全組合員に開示する
進行中の事例
当社は、あるマンション管理組合の第1回大規模修繕工事について、修繕委員会アドバイザー(建築士セカンドオピニオン)に就任しました。契約期間は工事の完了・引渡しまでです。第1回修繕委員会では、公正取引委員会の命令を踏まえ、施工会社の選定を設計事務所の業務から外して修繕委員会が行い、その実務を当社に委託する方針が確認されました。
| 時期(着手からの月数) | 内容 |
|---|---|
| 着手(0か月) | アドバイザー契約の締結。第1回修繕委員会で全体スケジュール3案を比較し、着手から約23か月後に着工し約12か月で完了する案を採用 |
| 着手から1か月 | 第2回修繕委員会で設計事務所の公募条件(見積参加基準・見積要項)を確定 |
| 着手から2〜3か月 | 設計事務所の公募(マンション管理新聞に掲載)。応募書類と調査・設計・選定・監理の業務別見積書の提出を求める |
| 着手から5か月 | 応募会社から2社程度をヒアリング(理事会と修繕委員会の共同開催)し、1社に内定 |
| 着手から7か月 | 定期総会で設計事務所の選定を決議。その後、約6か月でアンケート調査・建物劣化診断・修繕設計 |
| 着手から12〜17か月 | 施工会社の公募条件の検討、公募、見積、ヒアリングを修繕委員会が主体となって実施(当社が選定補助) |
| 着手から19か月 | 定期総会で大規模修繕工事の実施を決議 |
| 着手から23〜34か月 | 大規模修繕工事(設計事務所による工事監理、当社がセカンドオピニオン) |
※ 設計事務所の見積参加基準には、一級建築士事務所の登録、分譲マンション修繕工事の設計監理実績、同規模の実績、工事会社・管理会社との資本関係がないこと、公正取引委員会の立入検査・排除措置命令等に関わりがないことなどを定めています。※ 守秘義務により、マンション名・個別の金額は掲載していません。
進行レポート(随時更新)
【第1回】着手月 第1回修繕委員会を開催。全体スケジュールA・B・C案を比較し、毎年の定期総会を基軸に、着手から約2年後に着工して約1年で工事を完了する案で進めることを確認。設計事務所の選定は着手から7か月後の定期総会で決議、施工会社の選定は設計事務所の業務から外し、修繕委員会が当社の補助を受けて実施する方針を理事会に上申することとした。次回(着手から1か月後)に設計事務所の公募条件を確定する。
費用の考え方
- アドバイザー報酬は月額の定額制です。修繕委員会の開催の有無や回数にかかわらず一定額で、いつでも相談に応じられる体制を維持する顧問料です。
- 施工会社選定補助業務は別契約です。設計事務所の業務から選定補助を外すため、設計事務所の見積から選定業務分が減ります。上記の事例では、その金額を当社の選定補助業務の費用に充て、管理組合の費用が増えない形としています。選定補助の期間中はアドバイザー報酬を請求しません。
- 建物調査診断・修繕設計・工事監理を当社が直接受託することも可能です。その場合は設計事務所の公募は不要となり、施工会社の選定は上記と同じ考え方で管理組合主体で行います。
- 金額は規模・期間・業務範囲により異なりますので、個別にお見積りします。相談・お見積りは無料です。
よくある質問
すでに設計事務所と契約している場合でも依頼できますか?
できます。設計事務所の調査報告・設計図書・見積比較の内容を第三者の目で確認し、施工会社の公募・開封・比較を管理組合主体に切り替える支援が可能です。設計事務所との契約内容を拝見したうえで、切り離せる業務の範囲をご提案します。
責任施工方式(管理会社や施工会社に一括で任せる方式)でも意味がありますか?
あります。提示された見積の数量・仕様・単価の妥当性を確認し、必要に応じて相見積の取得や仕様の統一をご提案します。
修繕委員会がまだありません。
修繕委員会の設置(委員の募集、運営細則の作成)からお手伝いします。理事会のみで進める場合は理事会顧問として同じ業務を行います。
遠方でも対応できますか?
兵庫県・大阪府を中心に関西一円で対応しています。委員会へのZoom参加を併用することで、その他の地域もご相談ください。
お問い合わせ
大規模修繕工事の進め方、設計事務所の公募、施工会社選定の切り離しについて、まずはお気軽にご相談ください。
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〔出典〕公正取引委員会 報道発表「関東地区所在のマンションの管理組合が設計コンサル業者に委託して発注する大規模修繕工事の施工業者らに対する排除措置命令及び課徴金納付命令等について」(令和8年9月28日)、同 別添3「大規模修繕工事の施工業者から設計コンサル業者に対して支払う手数料等について」