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専門委員会や専門家の活用に関する相談

 

専門委員会や専門家の活用に関する相談

参照:国土交通省/マンション関係法令等

参照:マンション管理・再生ポータルサイト

はじめに

管理組合の業務執行機関として理事会の業務は多岐にわたり、その仕事量は決して少なくはありません。

また、課題によっては、検討に長い期間を要するものもあります。

理事は1年ないし2年で交代するのが一般的ですが、例えば、大規模修繕工事を実施する時期にその分野に詳しい人が必ずしも理事に就任しているとは限らず、また、継続的に取り組むことが求められることもあるでしょう。

このように、管理組合の業務において長期的に検討を要する場合、または重要な案件、専門性を要するものがある場合に、「専門委員会」を設置することは有効だと考えられます。

また、管理組合の業務には専門的な知識を求められるものもあるため、法律、建築等に係る技術や管理組合の運営に関する知識等を有する「専門家」の支援を受けることも考えられます。

平成31年4月国土交通省公表の「平成30年度マンション総合調査結果報告書」によると、専門委員会の設懺状況等について、「設置している」が27.3 %、[設羅していない」が70.5%となっており、総戸数規模別では、総戸数規模が大きくなるほど設置している割合が高くなる傾向にあります。

設置している専門委員会の種類については、「大規模修繕や長期修繕計画に関する委員会」が85.2%と最も多く、次いで「防災に関する委員会」が20. 0%、「規約・細則の制定や見直しに関する委員会」が14.8%となっており、単棟型と団地型を比較すると、単棟型が22.3%、団地型が52.1%で、団地型が、単棟型に比べ各専門委員会の設置率が高い傾向にあります。

専門家を活用しているマンションは41.8%あり、活用した専門家の種類については「建築士」が15.6%と最も多く、次いで「弁護士」が15.2%、「マンション管理士」が13.0%で、「活用したことがない」は、55.0%となっています。 総戸数規模別では、総戸数規模が大きくなるほど「活用したことがない」の割合が低くなる傾向にあり、専門家の活用内容については「単発のコンサルティング業務」が61. 2%と最も多く、次いで「顧問契約」が20.4%、「管理者・理事長への就任」が3.1%となっています。

外部専門家を選任した理由については、「大規模修繕等の実施」が43.3%と最も多く、次いで「知識・ノウハウの不足」が33.9%、「管理費の滞納等への法的措置」が32.0%となっています。

形態別では「顧問契約」の割合は、単棟型が17.5%、団地型が30.2%と、団地型で高くなっています。

マンションの総戸数規模や形態などにより専門委員会や専門家の活用状況について違いがあるものの、多くの管理組合において、管理組合の業務を円滑に進めるため、専門委員会や専門家を活用している状況が見られます。

そこで本号では、当センターに寄せられた相談事例を取り上げ、標準管理規約(単棟型)の規定等を参考にして、専門委員会や専門家の活用に関する韮本的な考え方について説明します。

相談事例

第1四半期

大規模修繕工事を検討する時期になりましたが、今期は管理組合の懸案事項も多く、役員は1年任期で、大規模修繕工事に関して詳しい人もいません。 そのため専門委員会を設置しようと考えていますが、どのような手続が必要になるのでしょうか?

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(1)専門委員会の設置

国土交通省より平成17年12月に公表された「マンション管理標準指針」では、管理組合の業務について、長期的に検討を要する場合、重要な案件、専門性を要するものがある場合に、必要に応じて専門委員会の設置が必要となることから、「大規模修繕工事の実施、管理規約の改正等、必要に応じて設置している」ことを「標準的な対応」としています。

しかし、「小規模なマンションなど、理事会とは別に専門委員会を組織することが必ずしも適切ではないマンションもあると考えられますので、大規模修繕工事の実施や管理規約の改正を検討する場合には、必ず専門委員会を設買すべきという趣旨ではありません。マンションの規模等も踏まえ、その必要性・合理性が高い場合に設置すべきという趣旨です」 とコメントされています。

(2)専門委員会の設置手続

専門委員会の設置手続については、標準管理規約第55条に規定され、コメントされていますのでご参考にしてください。

マンションの管理規約に標準管理規約と同様の規定がある場合は、専門委員会の検討対象が理事会の責任と権限の範囲内で、専門委員会の活動に特別な費用の支出がなく、理事会活動に認められている経費以内で活動できる場合等は、理事会の決議により、専門委員会を設漑することができます。

ただし、標準管理規約と同様の規定がない場合には、総会の決議が必要であると考えられます。

ところで専門委員会の運営細則の制定や、検討対象が理事会の責任と権限を越えている場合、または検討のために理事会活動の予算を超えた費用が必要になる場合や専門委員会の委員に報酬を支給する場合等には、それらの予算措置も含め総会の決議が必要になりますので注意が必要です。

なお、専門委員会の運営細則については、マンション管理標準指針で、「1年ないし2年で交替する理事と長期間継続する専門委員との関係が不明確なことが起因してトラブルになることもあります。

したがって、この専門委員会(委員)の位置付け、設羅期間、任期等も総会決議による運営細則等で定めることが望まれます」とコメントされています。

第2四半期

大規模修繕工事の実施に向けて専門委員会を設置していますが、理事会に何も報告がないまま、勝手に専門委員会だけで工事の実施に向けて検討を進めています。 専門委員会の役割や任期等について教えてください。

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(1)専門委員会の役割

標準管理規約第55条では、理事会はその責任と権限の範囲内において、専門委員会を設罹し、特定の課題を調査・検討させることができ(1項)、専門委員会は、調査・検討した結果を理事会に具申する(2項)と規定されています。

これは、業務執行機関としての理事会が、本来的には処理する業務を時間的余裕、人的資源の観点から、その機能の一部を専門委員会に調査させるという位置付けと整理したことによるものです。

そのため、専門委員会は、理事会からの諮問に基づき特定の課題について調査・検討し、その結果を具申する「理事会の諮問機関」と位置付けられます。

このように、専門委員会に行ってもらうことは、専門委員会での検討結果を理事会に具申してもらうことにあります。

理事会は、その具申された内容について検討を行い、理事会の決議を経て、総会に諮って管理組合として意思決定を行うことになります。

しかし、理事会は、専門委員会から具申された内容をそのまま採用しなければならないということはありません。

具申された内容によっては、理事会において内容を一部変更する必要がある場合もあるでしょう。

そして、必要に応じて専門委員会に説明を求めたり、追加検討の要請を行うことも可能です。

専門委員会には、以上のような点を理解してもらい、その役割を果たしてもらうことが大切です。

(2)専門委員会の任期

例えば、大規模修繕工事の検討に際して設羅する専門委員会は、「建物の調査・診断、工事の範囲・仕様、施工業者の選定、竣工検査等」に関する調査・検討等を行い、その結果を理事会に具申する役割を担っています。

一般的には、検討した結果を具申した時点で、あるいは、当該大規模修繕工事が終了した時点でその役割は終了するものと考えられます。

しかし、専門委員会の解散時期を取り決めていないと、専門委員会としての役割が終了したにもかかわらず、専門委員会が設買されたままの状態になってしまうことも考えられます。

そのため、専門委員会が円滑かつ有効に機能するためにも、各マンションの規模や特性にあった運営方法等を取り決め、専門委員会の運営細則等により、専門委員会の役割や業務範囲とともに解散時期等についても明文化しておくことが大切です。

※管理組合で専門委員会運営細則を検討する場合には、令和3年7月当センター発行の『分譲マンション管理組合の「大規模修繕工事専門委員会連営細則モデル(改訂版)」』を参考にすることができます。

専門委員会を設置するかどうかは、各々のマンションの規模等を踏まえ、その必要性や合理性が高いかどうか等に基づき管理組合で判断することになりますが、管理組合にとって重要な案件を円滑に進めるためには、専門委員会を設置し、専門的に調査、検討し具申してもらうことは極めて有効な方法といえるでしょう。

第3四半期

建物の老朽化や、組合員の高齢化が進み役員のなり手も見つかりません。 管理組合の運営を外部の専門家に依頼することができると聞きましたが、どのような活用方法がありますか。

また、活用に当たっては、どのような点に注意する必要がありますか。

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(1)外部専門家の活用

マンションの管理を担う者がいなければ、いずれ管理不全マンションになってしまう恐れがあります。

そのような場合に、外部専門家に依頼し、管理組合の運営に直接参加してもらうといった方法が考えられます。

標準管理規約第34条には、「管理組合は、マンション管理士その他マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりすることができる」と定められています。

平成28年の標準管理規約の改正では、「外部専門家の活用のパターン」がコメントの添付として具体的に明記されました。

また、平成29年6月には、国土交通省より「外部専門家の活用ガイドライン」が公表されています。

 

(2)外部専門家の活用のパターン

外部専門家の活用のパターンとしては、次の①~③の3つの方式があります。

①理事・監事外部専門家型又は理事長外部専門家型(図1)

従来通り理事会を設け、その機能を維持しながら、理事会役員に外部専門家を入れるパターンです。

外部専門家が理事長になることも想定されます。

管理組合活用が想定されるケースとしては、管理組合の運営面の不全の改善を要するマンションや、計画的な大規模修繕等の適切な実施、耐震改修、建替え等の耐震対策等の専門的知見が必要なマンションが想定されます。

専門委員会や専門家の活用に関する相談

 

 

②外部管理者理事会監督型(図2)

外部専門家を区分所有法上の管理者として選任し、理事会は監事的立場となり外部管理者を監視するパターンです。

監視する立場の理事会の役員に、監視機能を強化するためさらに別の外部専門家を選任することも考えられます。

活用が想定されるケースとしては、大規模な新築マンションなど、高い専門性と透明性、区分所有者の利益の保護や最大化の二←ズの高いマンションなどでの活用が想定されます。

このパターンでは、総会=意思決定機関、管理者=執行機関、理事会=監視機関といった役割分担や責任の明確化が期待できます。

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③外部管理者総会監督型(図3)

外部専門家を区分所有法上の管理者として選任し、理事会は設けないパターンです。

区分所有者からは監事を選任して管理者を監視するとともに、全区分所有者で構成する総会が管理者を監視する役割を担ぃます。

さらに、監査法人等の外部監査を義務付けています。

活用が想定されるケースとしては、規模の小さいマンションで、理事長のなり手がなく、マンションを管理していく機能が損なわれているようなマンションなどでの活用が想定されます。

このパターンは、外部専門家によって、マンションの管理を強力に支援するといった仕組みになります。

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(3)外部専門家の活用に当たっての注意点

①手続

外部専門家を活用するに当たっては、組合員への説明会等を通じて、情報の共有と意向の把握を重ねながら検討を進めていくことが重要です。

外部専門家を理事として選任することとした場合、理事および監事は、総会で選任し、理事長、副理事長および会計担当理事等は、理事の互選により選任することになります。

管理組合として外部専門家を採用するパターンによっては、次のような手続が必嬰なことがあります。

<理事・監事外部専門家型又は理事長外部専門家型>

区分所有者以外の専門家から理事・監事を選任することになるため、区分所有者以外の者を理事、監事に選任できることを管理規約に明記することや、選任の対象となる外部の専門家の要件や選任の具体的な手続などの選任方法ついて、細則で定めておくことが必要になります(標準管理規約35条4項) 。

く外部管理者理事会監督型・外部管理者総会監督型>

外部専門家を理事ではなく管理者として選任することになるため、総会において管理者としての決議を得る必要があります。 (区分所有法25条1項)

②監視機能の重要性

外部専門家に管理組合の運営に参加してもらことは、単なるアドバイザーやコンサルタントといった第二者的な立場での助言者とは異なり、管理組合への影曹が大きなものになると想定されます。

特に組合員が管理組合の運営に無関心である場合、管理組合の利益と一致しない決定が行われることがあるかもしれません。

そのため、このようなことを避けるためにも、外部専門家に管理組合の運営に参加してもらう場合には、管理組合による監視機能というものが求められます。

管理組合としては、外部専門家の業務の執行状況をチェックしたり、提案された内容が、管理組合にとって適切な提案なのかどうか、管理組合として、主体的に判断し、外部専門家任せにしないといったことが重要です。

外部専門家を活用することにより、管理組合の負担は軽減されると思いますが、全てお任せするというわけにはいきません。 管理組合には外部専門家を監視するといった機能が求められますので、管理組合の人的負担は残りまずし、これまで必要のなかった外部専門家への報酬等の負担も生じることになるという点は注意しましょう。

おわりに

専門委員会を設買して、理事以外の組合員が特定の課題について検討を行い適正かつ有効に機能させるためには、専門委員会の設置前にマンションの規模や特質および管理組合の実情等に沿った運営方法等を取り決めて、明文化しておくことが重要です。

また、外部専門家を活用する場合には、まずは、それぞれのマンションにおいて、どのような問題点があるのか、どのような専門家に相談するのがよいのか、理事会として方向性を決めておくことが重要です。

平成13年8月に国土交通省より公表された、「マンションの管理の適正化に関する指針」には、マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合であり、区分所有者等は、管理組合の一員としての役割を十分認識して、管理組合の運営に関心を持ち、積極的に参加する等、その役割を適切に果たすよう努める必要があるとしています。

このように、本来、マンションの管理は管理組合が主体となって行うべきものであり、組合員が管理組合の運営を行うことが好ましいことです。

そのため、外部専門家に支援を求めることになった場合でも、マンションは、組合員の財産ですから、組合員一人一人が自分たちの財産を守るのだという姿勢は引き続き求められることでしょう。

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