神奈川県逗子市マンション敷地崩落事件公判

第1回口頭弁論 管理組合、訴訟準備へ <分譲業者らの責任追及も>

 マンション管理新聞より抜粋

神奈川県逗子市で昨年2月、マンション敷地の斜面が崩落し市道通行中の高校生が死亡した事故で、遺族がマンションの全区分所有者と管理組合、業務受託管理会社らに対し約1億1800万円の損害賠償等を求めた訴訟の第1回口頭弁論が5月21日、横浜地裁であった。管理組合側は請求の棄却を求めた。一方で分譲業者や販売会社らに対し、土砂の撤去や崩落防止のための保全工事費等、管理組合に生じた損害につてい賠償を求める訴訟を準備していることを明らかにしている。

 管理会社側も5月12日付の答弁書で請求の棄却を求めたが、具体的な反論は「追って主張する」としている。7月19日までに原告の主張に対する反論や従業員の認否を明らかにする考えを示した。

 管理組合側は4月19日付けの答弁書で、敷地が造成された部分は土地上部の平面部分だけで、崩落した斜面地部分は「何ら手は加えれられず従前の状態で残っていたもので斜面地は造成地ではない」とし、「従って土地の工作物ではない」と結論付けた。

 「土地造成地も自然の土地に人工を加えて作ったものだから土地の工作物」だとし、崩落した斜面を含む敷地は「造成地として土地の工作物に当たる」として全区分所有者に土地工作物所有者もしくは占有者責任を追及する原告側の主張に反論する内容だ。

 答弁書では、斜面地について「区分所有者の共有ではあるが管理規約で保存行為を含め管理することになっており、しかも管理組合はその実際の管理を管理会社に委託している」とし、「少なくとも区分所有者らは占有者ではない」との解釈も示した。

 5月13日付けの準備書面では「敷地の占有者は管理組合と見るべき」との主張を加えている。

 原告側が追及する管理組合の不法行為責任に対しても「過失はない」と反論した。

 管理組合側は「管理組合としては敷地の管理を専門家である管理会社に委ねており、斜面地の岩の風化が始まっていた事実も亀裂の存在も知らなかった」と主張している。

 訴訟で原告側は、マンション開発業者が実施した地質調査結果で、調査した斜面の対策工事の必要性や風化による強度低下が指摘されたことを明らかにしているが、管理組合側は、この調査結果をまとめた書面の存在を知ったのは事件の後だった、と述べている。

 書面は管理室に保管される建築確認申請図書に含まれいた。としており、管理会社も書面の存在を知らなかったとしている。

 仮に管理組合が書面の存在を認識し、指摘事項を踏まえて斜面地の管理を行っていれば「事故は回避できた」とも述べた。

 このため斜面地部分の風化による崩落等が始まっていたことを知っていたにもかかわらず、事実を明らかにしないままマンションを建築し購入者に斜面地の状態を説明せずに販売を行った、として分譲業者・設計業者・販売業者の責任を追及する考えを示した。事故は「斜面の地質状態を全く知らなかった管理組合・区分所有者にとってまさに青天の霹靂というべき事態」だとしている。

次回弁論は7月、非公開で行われる予定だ。

【変種後記】

昨年発生した、神奈川県逗子市マンションの斜面崩落による女子高生死亡事件だが、工作物責任等をめぐる争いは続いているようです。

-ニュース