令和3年度国土交通省住宅局ー当初予算概要

既存マンションの改修・建替えに対する補助制度(優良建築物等整備事業)

市街地環境の整備改善や高経年マンションの円滑な再生を図るため、既存マンションの性能向上を図る改修や建替えに対する補助制度(社会資本整備総合交付金等の基幹事業である優良建築物等整備事業)による支援

マンション建替タイプ(優良再開発型)の改正

マンション管理適正化法及びマンション建替え円滑化法の改正(令和2年6月16日成立)を踏まえ、令和3年度当初予算において、優良建築物等整備事業(マンション建替タイプ(優良再開発型))について、支援対象を追加するとともに、適正な維持管理を推進するための事業要件等の改正を行いました。
(1) 支援対象の追加
法改正で拡充した「要除却認定基準に適合する老朽化マンション」を追加しました。
(改正前)
①耐震性が不足するもの
(改正後) ②~⑤は、法改正で拡充された要除却認定の対象となるマンション
①耐震性が不足するもの
②外壁等の剥離及び落下により被害の生じるおそれがあるもの
③火災時に大きな被害が生じるおそれがあるもの
④給水等の配管設備の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるもの
⑤高齢者等の移動上又は施設の利用上の安全性の向上を図る必要があるもの
(2) 事業要件の改正
優良建築物等整備事業(マンション建替タイプ)
の事業要件に、以下の要件を追加しました。
建替え後のマンションにおいて、計画期間を30年以上に設定した長期修繕計画を作成し、長期修繕計画に適切な修繕積立金の額が設定されるものであること。なお、地方公共団体のマンション管理適正化推進計画等において、異なる定めがある場合は、それによることができる。
(3) 補助率の引上げ
長期優良住宅の整備を含む場合は、補助率を2/5に引き上げました。
( 通常)国1/ 3、地方1/3、民間1/3
(引き上げ)国2/5、地方2/5、民間1/ 5

既存ストック再生型の概要

老朽マンション等について、耐震性の確保等に加え、バリアフリ廿ヒや省エネ改修などの現在の居住ニーズに合ったストックヘの総合的な再生を支援します。
【対象事業】
次の①~②のいずれかに該当する改修を行う事業① 10名以上の区分所有者が存するストック事業であり、60歳以上の高齢者(同居する者がない者又は同居する者が親族等である者)の居住する世帯の割合が5割以上のストックの改修
②次のいずれの要件も満たし、かつ10人以上の区分所有者が存する住宅・建築物ストックで行われる改修
・官民連携の協議会が組織されていること
•都市開発方針、その他まちづくり計画に位置付けられた地区
【対象建築物】
・住宅各戸において、床面積50m'以上、2部屋以上、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えたもの(ただし、上記対象事業①のものに限る。)
・地階を除く階数が原則3階以上
・耐火建築物または準耐火建築物
・耐用年数の2分の1以上を経過していること
【補助対象l
イ~ホのいずれかの改修に伴う次の費用が対象
・調査設計計画の作成に要する費用
・共同施設整備費に要する費用
イ バリアフリー改修
ロ 省エネ改修
ハ 維持管理対策改修
二 防災対策改修
ホ 子育て支援対応改修
※:ただし、耐震や吹付アスベスト対策が未実施の場合は、該当する以下の改修の実施が必須
・耐震改修
・アスベスト改修
【補助率】
(通常)国1/3、地方1/3、民間1/3
長期優良住宅の整備を含む場合は、(引き上げ)国2/5、地方2/5、民間1/5

マンションストック長寿命化等モデル事業

事業の目的

高経年マンションの適正な維持管理を促進するとともに、長寿命化に資する改修等によるマンションの円滑な再生を図る取組を推進するため、マンションの長寿命化に向けた先導的な改修等に対して支援を行い、先導事例・ノ
ウハウ等を収集し、全国への水平展開を図ることを目的としています。

事業の概要

(1) 事業主体     民間事業者等
(2) 令和3年度予算  17億円

マンション管理適正化・再生推進事業

事業の目的

今後急増する高経年マンションヘの対策を図るため、地方公共団体や管理組合等によるマンションの管理適正化・再生推進のための先進的な活動に対して支援を行い、成功事例・ノウハウを収集し、全国への水平展開を図るとともに、マンションの適正な管理や再生の円滑化を推進するための環境整備に向けて、制度の周知・普及等を行う事業を支援することを目的としています。

事業内容

(1) 事業概要
①マンションの新たな維持管理適正化・再生推進に係る事業
②地方公共団体等によるマンションの管理適正化・再生推進に係る事業
③老朽化マンションの建替え等の専門家による相談体制等の整備に係る事業
④マンションの管理適正化・再生推進に関する制度や取組の普及・固知等を行う事業

(2) 事業主体
(1)①および③について管理組合の活動を支援する取組を行う法人
(1) ②について地方公共団体または地方公共団体と連携する法人・団体(ただし、マンション管理適正化推進計画の作成を予定している地方公共団体)
(1) ④について
民間事業者等(注:マンション管理組合に直接補助金を交付するものではありません。管理組合の活動を支援する法人等の団体に補助金を交付し、マンション管理組合が抱える課題の解決に向けた取組を実施していただくものです。)
(3) 補助率
(1) ①および②について
(補助率)定額
(限度額) 1団体、1法人当たり1,000万円(②において、複数の地方公共団体を事業対象にする場合は、一の地方公共団体につき1,000万円/年)
(1)③について
(補助率)定額
(限度額) 1法人当たり1,500万円
(1) ④について
当該事業の実施に要する経費以内の額
(4) 令和3年度予算額
2.01億円

住宅・建築物の耐震化に係る支援制度

住宅の耐震化を進めることは重要な課題であり、令和3年3月に閣議決定された住生活基本計画においては、平成30年時点で約13%の耐震性を有しない住宅ストックを、令和12年までにおおむね解消する目標を掲げており、引き続き、住宅の耐震化を推進する必要があります。
住宅・建築物の耐震化を促進するため、地方公共団体を通じた耐震診断・耐震改修等に対する補助制度(住宅・建築物安全ストック形成事業)による支援を行っているところですが、令和3年度当初予算において、住宅・建築物安全ストック形成事業の区域要件、補助率、工事費限度額に係る時限措罹を3年間延長するとともに、一部メニューを補助金(地域防災拠点建築物整備緊急促進事業)に移行し、住宅・建築物の耐震化を促進することとしております。
①住宅・建築物安全ストック形成事業
住宅・建築物安全ストック形成事業によるマンションの耐震改修等に係る補助は右図のとおりです。

②地域防災拠点建築物整備緊急促進事業
平成25年11月に、耐震改修促進法が施行され、昭和56年5月以前に着工した病院、ホテル・旅館など不特定多数の者が利用する大規模な建築物や、地方公共団体が指定する避難路沿道にある建築物等については、耐震診断を行い、その結果を所管の特定行政庁に報告することが義務付けられました。
この法改正に合わせ、耐震診断義務付け対象建築物の耐震診斯・耐震改修等への補助率の引上げを行っています。
マンションについては、地方公共団体が指定する避難路沿道にある建築物に該当する場合があり、その補助率は、右図のとおりです。

個別のマンションが耐震診顧義務付け対象であるかどうかについては、所管の特定行政庁へお問い合わせください。
また、①および②の制度は、現地での建替えまたは除却を行う場合、耐震改修工事費用相当分に対して補助します。
なお、マンションに対する①および②の制度は、地方公共団体が補助制度を整備している場合に、国が地方公共団体を支援するものであることから、地方公共団体が補助制度を整備していない場合は、補助を受けることができません。また、補助の内容や要件等についても、各地方公共団体で異なる場合がありますので、詳しくはマンションが所在する地方公共団体へお間い合わせください。

省エネ性能等に優れた住宅の新築・改修等に対する補助事業の実施について

「地球温暖化対策計画」(平成28年5月138閣議決定)における今後の家庭部門のCO2排出鼠の削減目標である2030年度の39%削減(2013年度比)を達成するために、建築物の省エネ・省CO2対策を推進する必要があります。
令和3年度予算においては、昨年度に引き続き、省エネ性能等に優れた良質な住宅の新築や改修に対する支援として、省エネ・省CO2等に係る住宅・建築物のリーディングプロジェクトヘ支援する「サステナブル建築物等先導事業」および住宅の長寿命化等に資するリフォームを支援する「長期優良住宅化リフォーム推進事業」を実施する予定です。また、これに加え、関係省庁(経済産業省・国土交通省・環境省)が連携して、ZEHに対する支援を実施することとしています。
また、維持管理やリフォームの実施などによって住宅の質の維持・向上が適正に評価されるような、住宅ストックの維持向上・評価・流通・金融等の一体的な仕組みの開発・普及等を行う取組に対して支援する「住宅ストッ
ク維持・向上促進事業(良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業) 」を実施する予定です。
公募に当たっては、募集要領等を国土交通省等のH朽において公表する予定ですので、ご活用ください。

 

サステナブル建築物等先導事業の概要

共同住宅に係るプロジェクトを例にとると、次のような支援メニューがあります。
①省エネ・省CO2に係る先導的な技術等を導入したリーディングプロジェクトに対する支援(省CO2先導型)

② IoT技術等を活用した住宅の実用化に向けた実証事業に対する支援(次但代住宅型)①、②ともに、1プロジェクト当たり原則として5億円を上限に、先導的な技術に係る調査設計計画費、建設工事費、効果の検証費用等の合計額の1/2以内の額を支援します。

長期優良住宅化リフォーム推進事業の概要

本事業の補助対象となる改修工事等の大まかな要件は次の通りです。
①リフォーム工事前にインスペクション(建物状況調査)を行うとともに、維持保全計画およびリフォームの履歴を作成すること
④リフォーム工事後に劣化対策、耐震性および省エネルギー対策について一定の性能基準を満たすこと
⑤劣化対策、耐震性、省エネルギー対策、維持管理・変更の容易性、可変四、高齢者対策※(※は共同
住宅のみ)に係る性能向上工事等を実施すること上記①~③の条件を満たすためのリフォーム工事費用およびインスペクション等の費用が補助対象(これらの費用の3分の1以内の額が補助) 。実施するリフォームのレベルに応じて100万円/戸~の補助限度額の上限があります。

ZEH※等の推進に向けた取組

経済産業省(①)、国土交通省(②)、環境省(③)が連携して、それぞれ次の役割分担でZEHに対する支援を実施することとしています。
③中小工務店等が連携して建築するZEH(ZEHの施工経験が少ない事業者に対する優遇)
※編注:ZEH(ゼッチ) (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとなることを目指した住宅です。

住宅ストック維持・向上促進事業(良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業)の概要

本事業は、良質な住宅を供給する建築士、住宅事業者、検在事業者や住宅履歴管理業者、宅建業者や金融機関等が連携した協議会等が、住宅の質の維持・向上が適正に評価されるような、住宅ストックの維持向上・評価・流通・金隙等の一体的な仕組みを開発・周知し、当該仕組みを試行する事業に支援を行うものです。
特に先進的かつ波及効果の高い仕組みを開発・周知・試行する事業(先導型事業)と、長期優良住宅認定制度や安心R住宅制度、瑕疵保険制度等の施策を活用する協議会の体制構築および普及を行う事業(普及型事業)に分けて公募、採択を行います。補助対象は以下に掲げる経費となります。
①一体的な仕組みの開発に要する経費(先導型事業に限る)
②一体的な仕組みを試行する体制の整備および当該仕組みの周知に要する経費
③性能維持向上(うち、インスペクションの実施、住宅履歴の作成、瑕疵保険への加入、維持管理計画の作成)に要する経費
④性能維持向上(うち、質の向上)に要する経費
(新築の場合は掛かり増し費用相当分に限る)

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