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民法⑬-第13節 人的担保

第13節 人的担保

連帯債務(債務者間において他の債務者が連帯して担保する関係)

A・B・Cは1人400万円ずつ出して、Dからマンションを買うことにした。

契約では、売主は買主のうち誰に対しても全額請求できるという特約がついていた。

債権者のDは、誰に対していくら請求できるだろうか。

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「特約がない場合」

DはAに1,200万円全額を支払えとはいえず、原則として、A・B・C各自に400万円ずつ請求することになる(「分割債務」という。427条)。

「連帯債務にするという特約や法令の規定がある場合」

D は、A•B•C のいずれにも1,200 万円の全部または一部の支払いを求めることができる(436条)。

また、誰かが1,200万円を支払った場合には、3人すべてがDに対してお金を支払う義務を負わなくなる。

連帯債務

【例】

連帯債務者の1人が弁済をし、その他自已の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合には、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する(442条1項) 。

したがって、連帯債務者の1人Aが、債権者に対し全額を弁済したときは、Aは、他の連帯債務者に対し、それぞれの負担部分について求償できる。

連帯債務の効力

1.相対的効力

原則として、連帯債務者の1人について生じた事由は、他の連帯債務者に影響を与えない(441条)。

【例】取消し、無効、請求、承認、免除、期限の猶予、時効の完成等

2. 絶対的効力

例外として、連帯債務者の1人について生じた事由の効力が他の連帯債務者に対して影響を与えるものがある。

ただし、債権者および他の連帯債務者の1人が別段の意思を表示したときは、その意思に従い、絶対的効力とすることができる(441条ただし書)。

(1)弁済・代物弁済・供託等

連帯債務者の1人が弁済等をして債務を消滅させると、他の連帯債務者も債務を免れる。

(2) 相殺(439条)

連帯債務者の1人が債権者に対して反対債権を有する場合、次のように分類できる(439条)。

① 連帯債務者が相殺を援用したとき(1項)

債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。

② 連帯債務者が相殺を援用しないとき(2項)

その間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。

A・B・Cは、Dに対して1,200万円の連帯債務を負っている。各連帯債務者の負担部分は等しいものとする。

一方、AはDに対して1,000万円の貸金債権を有している。A・B・Cは、どんなことができるだろうか。

連帯債務-2

①  Aが反対債権全額で相殺をした場合(1項)

B・Cは1,000万円について債務を免れ、残り200万円についてA・B・Cが連帯債務を負う。

②  Aが相殺をしない場合(2項)

B・CはAの負担部分400万円について債務の履行を拒むことができる。

(3)更改(438条)

連帯債務者の1人が債権者との間で当該連帯債務について更改契約(新しい債務を成立させることにより旧債務を消滅させる契約)を行うと、連帯債務は消滅し、他の連帯債務者は債務を免れることになる。

AがDとの間で、この代金支払いの連帯債務を、特定の土地所有権移転債務に更改すると、代金支払いの連帯債務は消滅し、B・Cは連帯債務を免れる。

(4)混同(440条)

Dが子供Aとその友人B・Cにマンションを売却し、代金1,200万円について、A・B・CがDに対して、連帯債務を負っている。

代金の支払前にDが死亡し、Aは単独でこのマンションの代金債権を相続した。この場合のB・Cは、債務を負っているだろうか。

連帯債務-3

①  AがDを相続すると、Aは連帯債務者の1人でありながら債権者としての立場に立つ。

②  混同によりAの負っていた債務は消滅し、他の連帯債務者B・Cはこの連帯債務について債務を免れる。 

③  あとはAがB・Cに対して負担部分を求償する

Step Up 連帯債務(432条~435条の2)

1.絶対的効力 ⇒ 弁済・代物弁済・供託、請求、相殺、更改(部分的)、免除(部分的)、混同

(1) 連帯債権者による履行の請求等(432条)

債権の目的がその性質上可分である場合、法令の規定または当事者の意思表示によって数人が連帯して債権を有するときは、各債権者は、全ての債権者のために全部または一部の履行を請求でき、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行ができる。

(2) 連帯債権者の1 人との間の更改•免除(433 条)

連帯債権者の1 人と債務者との間に更改• 免除があったときは、その連帯債権者がその権利を失わなければ分与を受ける予定だった利益に係る部分については、他の連帯債権者は、履行を請求できない。

(3)連帯債権者の1人との間の相殺(434条)

債務者が連帯債権者の1人に対して債権を有する場合、その債務者が相殺を援用したときは、その相殺は、他の連帯債権者に対しても、その効力を生ずる。

(4)連帯債権者の1人との間の混同(435条)

連帯債権者の1人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなされ、債権が消滅する。

2. 相対的効力の原則(435条の2)

上記1.を除き、連帯債権者の1人の行為または1人について生じた事由は、他の連帯債権者に対してその効力を生じない。

ただし、他の連帯債権者の1人および債務者が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債権者に対する効力は、その意思に従う。

不可分債権・不可分債務(428条~431条)

不可分債権(428条)

1.不可分債務とは

A・Bが、甲マンションの1室の区分所有権を各1/2の割合で共有している場合、この部屋をA・BからC・Dが共同で購入したとき、Dは、単独でこの部屋の引渡しを請求できるだろうか。

不可分債務

〔原則〕

数人の債権者または債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者または各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、または義務を負う(427条)。

つまり、多数当事者の債権債務関係は、「分割債権・分割債務」となる。

〔例外〕

不可分債権関係とは、不可分の給付を目的とする数人の債権者がいる場合における多数当事者の債権関係である。

この関係となるのは、債権の目的がその性質上不可分(社会通念により判断)の場合であり、数人の債権者があるときは、各債権者はすべての債権者のために履行を請求し、債務者はすべての債権者のために各債権者に対して履行できる(「不可分債権」428条)。

専有部分の引渡し請求は、性質上の不可分債権である。

したがって、区分所有権を共有しているDは、単独で全部の履行の請求ができることになり、単独で専有部分の引渡し請求ができる。

2. 不可分債権の効力

(1)相対的効力(428条、435条の2)

不可分債権者の1人に、弁済等、請求、相殺以外の事由①②が生じたとしても、その事由は他の債権者に影響を及ぼさない。

コメント

① 更改、免除、混同は相対的効力となる。連帯債権では、これらは絶対的効力であるので、注意をしよう!

② 不可分債権者の1 人と債務者との間に更改• 免除があった場合でも、他の不可分債権者は、債務の全郭の履行を請求できる。

この場合、その1人の不可分債権者がその権利を失わなければ分与されるべき利益を債務者に償還しなければならないC429条)

(2)絶対的効力⇒弁済・代物弁済・供託、請求、相殺

① 弁済等

債務者が債権者のうちの1人に対して行った弁済等は、他の債権者へも影響を及ぼす。

② 請求

債権者のうちの1人が単独で行った請求は、他の債権者へも影響を及ぼす。

【例】

(ア)債権者の1人が請求すれば、債権者全員の債権の時効完成が猶予される(147条l項1号)。

③ 相殺

(イ)期限の定めのない債権であれば、債権者全員に対する債務者の履行遅滞が生じる(412条3項)。

(3)可分債権・可分債務への変更(431条)

不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自已が権利を有する部分についてのみ履行を請求でき、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の責任を負う。

たとえば、A・Bが、過失でこの部屋を焼失させた場合、C・DのA・Bに対するこの部屋の引渡請求権は、履行不能による損害賠償請求権(415条)へと変更することになる。

つまり、分割債権に変化することになる。

【例】

不法行為による損害賠償請求権(709条)

不可分債務(430条)

1. 不可分債務とは

不可分債務関係とは、不可分の給付を目的とする数人の債務者がいる場合における多数当事者の債務関係である。

この関係となるのは性質上の不可分の場合である。

例えば、賃料債務は、分けることが可能な金銭債務であるが、共同賃借人は建物を不可分的に利用しているので、その対価である賃料債務も不可分債務とされている(判例)。

【不可分債務の例】

① マンションを共有する者が負う管理費等の支払債務(判例)

②共同貨借人の賃料債務

③管理組合が、管理会社に対して支払うべき管理委託契約に基づく委託業務費の支払債務

④ マンションを共有する2人が、当該マンションを賃貸する場合に負う引渡債務

2. 不可分債務の効力

(1) 対外的効力(430条、436条)

債権者は、債務者のうちの1人に対して、または、同時にもしくは順次に全ての者に対して、全部または一部の履行を請求できる(430条、436条)。そして、不可分債務者のうちの1人が弁済すれば、すべての不可分債務者の債務は消滅する。

(2)相対的効力(430条、441条)

不可分債務者のうちの1人に、弁済等、相殺、更改以外の事由③% 叫生じたとしても、その事由は他の債務者に影響を及ぼさない。

コメント

③ 請求は相対的効力となり、連帯債務と同様である。

④ 混同は相対的効力となる。

連帯債権では、混同は絶対的効力であるので、注意を しよう!

(3)絶対的効力⇒弁済・代物弁済・供託、相殺、更改

弁済等

可分債務者のうちの1人が弁済等をすれば、すべての不可分債務者の債務は消滅するから、不可分債務者のうちの1人が債権者に対して行った弁済等は、他の債務者へも影響を及ぼす。

保障と連帯債務(446条~465条の10)

保証人

BはAからA所有マンションの専有部分を買い受け1,000万円の代金債務を負っている。

この債務について、CはBの保証人となった。

保証契約

1.保証人の要件

(1)債権担保のための制度であるから、債権の存在が必要である(付従性)。

(2)保証人となるためには、債権者との間で保証契約を締結していることが必要である。

つまり、債権者AとCとの間で、保証契約を締結していなければならない。

保証契約は、「書面」またはその内容を記録した「電磁的記録」でしなければ、その効力を生じない(446 条2 項• 3項)。

2. 保証人の資格

本来、保証人の資格については、何ら制限はない。

(1) 主たる債務者が保証人を立てる義務がある場合

「弁済の資力」があり①、かつ、「行為能力者」でなければならない(450条1項)。

コメント

① 保 証人になった後で、保証人が破産手続開始の決定を受けた等によリ弁済の資力がなくなった場合は、債権者は要件を備えた他の保証人を立てるよう請求できる C450条 2項)。

(2)債権者が保証人を指名した場合

保証人の資格に制限はなく、他の保証人を立てるよう請求することもできない(450条3項)。

3. 保証債務の範囲

(1) 保証債務は、元本のほか、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償、その他その債務に従たる性質をもつものを包含する(447条1項)。

(2)保証債務についてのみ、違約金または損害賠償の額を約定できる(447条2項)。

コメント

 ② 保 証債務が主たる債務よリ重くなることはない。

主体債務 ≧ 保証債務

保証債務の性質

1.保証債務の付従性

(1) 主たる債務がなくなれば、保証債務もなくなる。

(2) 主たる債務が減縮されると、保証債務も減縮される。

コメント

③ 保証人になった後で主たる債務が増えても、保証債務は変わらないC448条2 項)。

ただし、「個人根保証契約」は除かれる。「個人根保証契約」とは、たとえば、貸主Aと借主Bが500万円の金銭貸借契約をするにあたり、Cが保証人となった場合、AC間の契約が1,000万円を限度額とする個人根保証契約をしているとき、その後Bが、金銭を追加して借りても、Cは、1,000万円の限度額で保証債務を負うという内容のものである。

2. 保証債務の随伴性

主たる債務が移転すれば、保証債務もそれに伴って移転する。

3. 保証人が主張できること

(1) 催告の抗弁権、検索の抗弁権を有する(保証債務の補充性)。

① 催告の抗弁権 (452条)

債権者が主たる債務者に催告せず直接保証人に請求した場合、保証人は「まず主たる債務者に催告せよ」と主張できる。

コメント

④ 主たる債務者が、破産手続開始の決定を受けていたリ、行方不唄であったリし た場合は、この抗弁権は使えない。

②  検索の抗弁権(453条)

債権者が主たる債務者に催告をした後であっても、保証人は次の事実を証明することにより「まず主たる債務者の財産から執行せよ」と主張できる。

(ア)主たる債務者に弁済の資力があること

(イ)執行が容易であること

(2) 主たる債務者の有する抗弁をもって債権者に対抗できる(457条2項)。

【例】同時履行の抗弁権

(3) 主たる債務について消滅時効が完成した場合豆保証人は消滅時効を援用できる(145条)。

コメント

 ⑤ 主たる債務者が時効の利益を放棄しても、保証人は消滅時効を援用して、保証債務を免れることができる。

(4) 主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権または解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる(457条3項)。

4. 主たる債務者について生じた事由の効力

主たる債務者について生じた事由は、原則として保証人に効力を及ほす。

【例】

主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予•更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる(457条1項)。

5.保証人について生じた事由の効力

保証人について生じた事由は、その主たる債務を消滅させる行為(弁済、代物弁済、相殺、更改等)のみ主たる債務者にも効力を及ぼすが、それ以外は及ぼさない。

コメント

⑥ 保証人に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予・更新は、主たる債務者に対しては、その効力を生じない。

連帯債務

連帯保証とは、主たる債務者と連帯してその債務を保証することをいう。連帯保証も保証の一種であるから、保証と同様の性質を有するが、次の点において異なる。

1.催告・検索の抗弁権の有無

催告の抗弁権、検索の抗弁権を有しない。

2. 絶対的効力

連帯保証人について生じた一定の事由は、主たる債務者にも効力を及ぼす。

保証人と同様、主たる債務を消滅させる事由(弁済・代物弁済、相殺、更改等)の他に、「混同」についても主たる債務者に効力を及ぽす見

共同保証

保証人や連帯保証人をたてる場合、1人とは限らない。複数の者が1つの主たる債務の保証をする場合がある。これを共同保証という。

DはAに2,000万円を貸し、そのAの債務についてBとCが保証をしている。

債権者のDは、BやCに対していくら請求できるだろうか。連帯保証であるときはどうか。

共同保証

①  B・Cがそれぞれ保証人の場合

保証人には、分別の利益がある。B・Cは、それぞれ2,000万円を頭割りした額(1,000万円ずつ)で保証をすればよい(456条)。

② B・Cが連帯保証人の場合

連帯保証人は分別の利益を有しない。したがってDはB・Cどちらでも弁済の資力のありそうな方に、全額の請求ができる。

コメント

⑦ この場合の各連帯保証人間では、求償権の行使ができる。

保証人の求償権

保証人が弁済した場合は、主たる債務者に求償できるが、弁済の前と後に主たる債務者に通知をしなければ、求償権の行使に制限を受けることがある(463 条1 項• 3項)。

なお、「物上保証人」についても、その債務を弁済し、または抵当権の実行によって抵当目的物の所有権を失った場合は、保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償できる(372条、351条)。

Step Up 

1.主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務(458条の2)

保証人が債権者から請求を受けるまで、主たる債務の履行状況がわからないのは、保証人にとって不測の損害を受けるリスクがある。そこで、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本および主たる債務に関する利息・違約金・損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無ならびにこれらの残額およびそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。

2.個人根保証契約(465条の2)

(1)根保証契約とは、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約をいう。そして、この契約は、保証人が法人ではない「個人」根保証契約に限り、貸金等根保証契約だけではなく、その他(賃貸借契約等)の根保証契約にも適用される。

(2) 「個人」根保証契約は、極度額を定めなければ、その効力を生じない。

保証

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