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自動ドアの安全と維持管理

 

自動ドアの安全と維持管理

自動ドアの仕組み

自動ドアは、センサーが通行者をキャッチすると、制御装置へ{言号を送り、その信号を受けてモーター・減速機がタイミングベルト、従動プーリー(ベルトから動力を伝える部品)を動かし、ドアが開きます。

センサーが通行者をキャッチしなくなると、あらかじめ設定されたタイマーが切れてから、ドアは閉まり始めます。

自動ドアのしくみ

自動ドアの維持管理と保全

自動ドアは多くの電子部品や機械部品で構成されています。

毎日長時間にわたって開閉を繰り返すため、作動皿数や経年に伴う部品の消耗や劣化の進行が避けられません。

また、設買環境によっても劣化の進み具合は異なります。この劣化を放置すれば、やがては正常な機能が損なわれ、円滑な作動に支障が出るばかりではなく、安全性が損なわれる可能性もあります。

正常な機能および安全性を維持するために、所有者による「日常点検」と専門技術者による定期的な「保全点検」を実施し、不具合が予想される箇所の調整・部品交換等の処置をする必要があります。

国の自動ドア安全規格「JIS A 4722」

2017年3月、歩行者用自動ドアの安全性に関する規格「JISA 4722歩行者用自動ドアセットー安全性」が制定されました。これは日本で初めてとなる、引き戸、開き戸、回転ドアなど、ほぼ全ての種類の自動ドアを包括する安全規格になります。

これまでもJADA独自の安全ガイドラインにより、開・閉速度の制限やセンサー検出範囲の確保などの対策を行ってきましたが、JISA 4722では更なる安全性の向上を目指し、甚準が強化されています。

具体的には次のような対策が盛り込まれています。

自動ドアのセンサーの範囲

① 開口部でのドア接触・挟まれ対策

自動ドアの開口部近傍のセンサー検出については、保護領域内で静止した人や物をより長時間(30秒以上)検出すること、1開閉ごとに故障診断を行うことなど。

② 戸袋部における挟まれ・引き込まれ対策

自動ドアの開き側については,ガードスクリーンや防護柵の設附または安全な距離を確保すること、警告表示(接触禁止)を行うことなど。

JIS A 4722により国としての自動ドア安全規格が標準化されたことで、製品設計段階から保全点検にいたるまで全てのプロセスにおいて各関係主体がJISで要求される安全対策を講じていくことになり、将来的に街のどの自動ドアにおいても安心してご利用いただけるようになることが期待されます。

消費者事故調「自動ドア事故」調査報告書を公表

消費者安全調査委員会(消費者事故調)より「自動ドアによる事故」に係る事故等原因調査が行われ、2021年6月25日に報告書が公表されました。

〇消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書ー自動ドアによる事故一(消費者安全調査委員会)

報告書の事故分析では、自動ドアの事故はお子様とご高齢の方に多く発生しているとされています。

①「ぶつかる」事故は60歳代がピークで、ご高齢になると重傷事故が発生している。センサーに関連する要因が多い。

自動ドアの事故

建物所有者または管理者が実施すべき再発防止策、実施すべき安全対策

① センサー検出範囲の確保

(ぶつかる、挟まれる事故の対策)

*製造業者や保全業者からセンサー検出範囲の測定値の報告を受けること。

*J IS A 4722で推奨されている値を確保できない場合は、推奨値が確保できるセンサーへの交換を検討すること。

② 戸袋部への進入防止

(子どもの手の引き込まれる事故の対策)

*戸袋部に手が届かないようにした防護柵やガードスクリーンなどの対策を検討すること。

③ 保全に関する情報共有

*自動ドアの定期的な点検や部品の交換を実施すること。

保全点検記録を適切に保管し所有者や管理者が代わった場合でも引き継ぐこと。

④ 通行者への周知

*ぶつかる事故の防止として「駆け込まない!」「斜めや横から入らない!」、引き込まれる事故の防止として「子どもがいたら一声かける」「集合玄関機の操作時に子どもの行動に注意! 」等、利用者へ継続的に周知すること。

まずは、所有されている自動ドアの安全に関する状況についてご確認いただく必要があります。

調査に関しては、各メーカー・施工販売会社などを通じて、専門知識を持った保全業者にお問い合わせください。

さいごに

自動ドアの保全点検は、自動ドアの専門知識と必要な技能を持った作業者を選ぶことが大切です。

現在、厚生労働省の国家検定資格を持つ『自動ドア施工技能士』が全国で7,600人ほど登録されております。

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