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マンションの建替え法等の基礎知識-③

区分所有法から建替え円滑化法まで・マンションの建替事業と敷地売却

 

マンションの建替え法等の基礎知識-③

マンションの建替え法等の基礎知識-③

はじめに

建築後40年を超えるマンションは、国土交通省の推計によれば、すでに103万戸に達しており、10年後には231万戸、20年後には約404万戸にまで増加します。

多くの皆さまが再生の検討を迫られることにならざるを得ません。

他方で、マンションの建替えの実績は、平成31年(2019年)4月時点で244件、1万9,200戸にとどまっています(住宅宅地分科会マンション政策小委員会とりまとめ令和2年(2020年)2月) 。

高経年マンションについて、マンションの再生への途は、とば口に立ったばかりです。

ところで、区分所有者の皆さまが再生の途を探ろうと考えても、マンションの再生における検討課題は専門性が高いものばかりです。

どのように進めて良いのか見当がつかないのではないかと拝察します。

そこで、基礎講座の最終回である第3回目の本節では、マンション再生に向けて、どのような活動をしていったら良いのか、活動のあらましと留意事項を解説します。

1.3つの留意事項

1. 話し合いについての考え方

マンションには多数の区分所有者が居住しています。

マンションの再生を成し遂げるには、いくつものステップがあり、それぞれのステップで、居住者が話し合いを行って結論を出し、次のステップに進まなければなりません。

マンション再生に向けた話合いは、ステップごとに、

(1)課題を設定し、メンバーが参集する(グループを設立する。)

(2)情報を取得する、

(3)検討を行い、意見を調整する

(4)結論を出す

という流れで行われます。

話し合いを行うに当たっては、再生のための話し合いが親しい人だけが集う懇親の場ではないことに留意しなければなりません。

様々な考え方を持つ居住者が、忙しい生活の合間をぬって時間を調整して互いの意見を交換するのですから、話し合いを行うに当たっては、マンション再生という目的のために、互いに大事な時間をくり合わせて創造的な結論を出すために集まっていることを、常に念頭におく必要があります。また、一部の組合員だけで話し合いを進めてしまうと、後のトラブルにつながりますので、全員が話し合いに参加することが望まれます。

2. 国や県が作成し、公表している情報

高経年マンションの再生が社会問題であることを踏まえ、行政はガイドラインやマニュアルなど、皆さまが再生を検討するに当たっての有益な資料を作成し、公表しています。

これらの資料はインターネットを使って簡単に入手することができますから、話し合いに参加するに当たっては、これらの資料をできるだけ検討することをお薦めいたします。

以下に、国や都道府県のマニュアルやガイドブックをいくつか紹介します。

【国土交通省】

・マンションの建替えか修繕かを判断するためのマニュアル

・マンションの建替えに向けた合意形成に関するマニュアル

・マンション建替え実務マニュアル

・耐震性不足のマンションに係るマンション敷地売却ガイドライン

・マンション敷地売却関連書式・支援制度集

【東京都】

・マンション再生ガイドブック

【さいたま市】

・マンション再生ガイドブック

という流れで行われます。

話し合いを行うに当たっては、再生のための話し合いが親しい人だけが集う懇親の場ではないことに留意しなければなりません。

様々な考え方を持つ居住者が、忙しい生活の合間をぬって時間を調整して互いの意見を交換するのですから、話し合いを行うに当たっては、マンション再生という目的のために、互いに大事な時間をくり合わせて創造的な結論を出すために集まっていることを、常に念頭におく必要があります。

また、一部の組合員だけで話し合いを進めてしまうと、後のトラブルにつながりますので、全員が話し合いに参加することが望まれます。

3.専門家の活用

マンションの再生についての一般的な知識は国や都道府県の資料から取得することはできますが、マンションごとに状況が異なっており、一般的な知識だけで具体的な問題解決への道筋をつけることはできません。

しかし、検討すべき事項は、極めて専門的な事項ばかりです。

専門家の力を借りることは、必要にして不可欠です。

助力を求めるべき専門家には、(1)コンサルタント、(2)事業協力者、(3)設計会社、(4)建設会社などがあります。

(1)コンサルタント

建替えに関する情報を提供し、スケジュールや手続、事業や設計の条件設定、契約処理、会議の運営など事業全体を円滑に推進するため調整を行う専門家です。

多様な考え方を持つ居住者の利害を調整し、全体を取りまとめる役割を担うことから、コーディネーターということもあります。

建替えの最初の段階から関与してもらうことが望ましく、また、最終的に、再建マンションに居住者が住み替えるまでの建替事業の全てにわたって、その役割が求められます。

(2)事業協力者

再建マンションの企画や保留床の取得など、事業の企画と資金面を中心に協力を求める不動産会社です。

建替え等円滑化法に甚づく建替事業では、区分所有者以外の者が事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力および1言用を有するものが参加組合員となるという手法があります(マンション建替え等円滑化法17条) 。

建築の専門知識・経験や資金を持った不動産会社に参加組合員となってもらうというのも、専門家として事業協力者を活用する1つのスタイルであり、再建マンションの価値創出のためのノウハウ活用、および適切な価格による保留床の取得によって、建替事業に対して企画面と資金面において、協力してもらうということになります。

(3)設計会社

建築に対する必要事項を調整し、敷地上に建築造形を図面でもって具体化する作業を担当する会社です。

企画、調査、基本構想(計画)、基本設計、実施設計、工事監理のフかーに基づき、設計図、仕様書、工事予算書な且の設計図書を作成する担当となります。

(4)建設会社

設計会社の作成した図面に碁づいて、建物を完成させる工事を請け負う会社です。設計図面のとおりに工事が行われていることをチェックする作業を監理といい、監理について、建設会社とは別に専門家に依頼することもあります。

 

なお、専門家を活用するに当たっては、どれだけの費用がかかるのかを事前に確認しておかなければなりません。

それぞれの専門家は仕事として業務を行っていますから、良質な助力を得るためには、当然に区分所有者の皆さまが仕事に対する報酬を支払う必要があります。

また、どのような仕事を行い、どのような費用がかかるかを区分所有者の皆さまにはっきりと示せるかどうかが、優秀な専門家かどうかを見極めるための要因の1つと見ることもできましょう。

2.マンションを使い続けるのかどうかの検討

マンション再生を検討するに当たっては、まず、最も碁本的な方針として、マンションを使い続けるのかどうかを決めなければなりません。

マンションを修繕・改修して使い続けるのか、マンションを取り壊して建替え等によって対応するのかは、まず、現マンションの老朽度と区分所有者の不満やニーズを把握し、要求する改善水準を設定した上で、具体の方策について、効果と費用をシミュレーションすることによって検討を加えます。

この点については、国土交通省の「マンションの建替えか修繕かを判断するためのマニュアル」には、下記の図表1のとおり、考え方が整理されています。

マンションの建替え法等の基礎知識-③

 

老朽度については、1.構造安全性、2.防火・避難安全性、3.躯体及び断熱仕様が規定する居住性、4.設備の水準、5.エレベーターの設置状況を確かめたうえで、アンケートやヒアリングによって区分所有者のニーズを把握し、一方で、それを修繕・改修で実現する場合と建替えにより実現する場合との改善効果と所要費用を比較して判断するということになります。

3.要除却認定マンション

1.要除却認定マンションの認定

ところで、高経年マンションについて、建替えまたはマンション敷地売却を選択する場合には、要除却認定がなされることによって容積率が緩和され、またはマンション敷地売却が可能になりますので、これからの高経年マンションの再生においては、要除却認定が重要な意味を持ちます。

要除却認定は、マンションの管理者等によって特定行政庁口に申請がなされ、申請されたマンションについて、次の1号から5号までのいずれかに該当するときに、特定行政庁によって認定されます(建替え等円滑化法102条) 。

1号 地震に対する安全性に係る建築基準法またはこれに基づく命令もしくは条例の規定に準ずるものどして国土交通大臣が定める甚準に適合していないとき。

2号 火災に対する安全性に係る建築基準法またはこれに碁づく命令もしくは条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める甚準に適合していないとき。

3号 外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当するとき。

4号 給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして国上交通省令で定めるものに限る)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして国
土交通大臣が定める基準に該当するとき。

5号 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第14条第5項に規定する建築物移動等円滑化碁準に準ずるものとして国上交通大臣が定める基準(バリアフリー基準)に適合していないとき。

要除却認定マンションの認定基準については、要除却認定基準に関する検討会によって、要除却認定の甚準がとりまとめられ、公表されています(図表2参照) 。

マンションの建替え法等の基礎知識-③

 

2.要除却認定マンションと認定された場合の対応

(1)容積率の緩和

高経年マンションは、ほとんどの場合に容積率をいっばいに使った建築がなされており、建替えても建築面積は増加しません。建替えには区分所有者が多額の自己資金を準備しなければならず、この資金の問題が建替えを阻害している要因となっていました。

これに対し、要除却認定マンション(1号~55号)と認定された場合には、建替えによって新たに建築されるマンションにおいては、一定規模以上の敷地面積があり、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合)、容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合)および各部分の高さについて総合的な配慮がなされていると認められたものについては、容積率が緩和されます(建替え等円滑化
法105条1項)。余剰容積によって増加する床については、施行者(建替組合)に帰属します(建替え等円滑化法60条3項) 。

建替え参加者は、この増加した床の権利を利用して、資金を捻出することができます。

(2) マンション敷地売却

高経年マンションにおいては居住者に高齢者が多く、区分所有者の多数が建替えてそこで暮らすことを望まないことも多いのではないかと思われます。

マンションと敷地を売却して、代金の分配を受け取り、新たにそれぞれの生き方にふさわしい住環境を整えようと考えることは、自然であり合理的です。

今後はマンションを再生するための手法として、マンション敷地売却を考えてみることも多くなると思われます。

4.最後に

高経年マンションにおいては居住者に高齢者が多く、区分所有者の多数が建替えてそこで暮らすことを望まないことも多いのではないかと思われます。

マンションと敷地を売却して、代金の分配を受け取り、新たにそれぞれの生き方にふさわしい住環境を整えようと考えることは、自然であり合理的です。

今後はマンションを再生するための手法として、マンション敷地売却を考えてみることも多くなると思われます。

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